美しく響かせる 秘訣1
Kayacc Klavier鉄骨造ですが、スラブ(各階の床)は分厚いコンクリート造とし、剛性の高い構造になっています。
また、外壁とは別に独立した内壁を組み立て、二重構造にしました。
これは、ホールの平面図ですが、すべての壁には角度がついていて、並行する壁は一切ありません。
フラッターエコー※をなくすと、反射面を多く存在させることが可能になります。
その結果、小さなホールでは不可能と言われてきた、豊かで自然な残響でホールを満たすことができました。
※フラッターエコーとは、音が多重反射を起こすことで生まれる音響障害です。
壁と床、または天井と床が平行であったり、その平行面の面積が広かったりする場合に、発生した音が延々と反射を繰り返すことで生まれます。
室内の音響も大事ですが、まずは屋外からの騒音がホールに入り込まないことが先決です。
でないと、ピアニッシモが生きてこないからです。
ダイナミックレンジを広くとることによって、演奏者の息遣いが豊かに表現できます。
ステージは硬く分厚い板で構成され、スタンウェイの澄んだ音色を濁さない設計になっています。
また、ピアノの音がステージに溜まらないよう、朝顔状になっています。
このホールで唯一の吸音がなされるのは天井ですが、スタンウェイのキラメキを邪魔しないよう、
吸音すべき周波数を狙って吸音する設計になっています。