8/23 外断熱で木陰の涼しさを(その3)


ワイキキで絶対湿度が16g/㎥を超えることは、まずありません

たとえば2021818日の最高気温は30℃、相対湿度は51%です。

これを絶対湿度で示すと15.5g/㎥です。

この状態なら汗をかいてもすぐに蒸散するので、木陰にいればとても爽やかです。

ハワイに何度か行かれた方なら、この感覚を思い出されたことと思います。

もう一つ、ハワイの特徴は常に適度なそよ風が吹いていることです。

グラフの一番下の欄は風速を示しています。

時速15キロというのは、自転車に乗っているときの気持ちいい風です。

 

これをヤグロー先生のグラフで確認してみたいと思います。お疲れの方は読み飛ばしてくださってOKです。

2021818日のワイキキの最高気温は30℃、相対湿度は51%です。

まず気温ですが、左の乾球温度30℃のところに印をつけます。

つぎに右端の湿球温度ですが、相対湿度51%は湿球温度22℃に相当します。

その2点を線で結びます。(紫ライン)

 

ワイキキの木陰にいて、そよ風が来ないときの体感温度は26℃となります。

これは「カラッと爽快」な感じで「暑いね」という言葉は出てこないはずです。

そのとき、ふわーっとそよ風が吹いてきました。

自転車に乗っているときくらいの気持ちいい適度なそよ風です。

それをヤグロー先生のグラフに当てはめると、気流3.5m/秒(=12.6km/時)のラインとの交点で、この時の体感温度は23℃ということになります。

 

さすがに23℃は肌寒いはずなので実感と一致しませんが、そこはグラフで示す限界でして、そよ風の効果を示していると理解してあげてください。(なんせ1930年に実験と作成)

 

 

この「気温は高いが湿度が低めで、そよ風が吹いている状態」は、あなたがあのとき体感されたワイキキのオープンカフェと同じ感覚です。

あなたは、ハワイへ行ってわざわざクーラー効いたガラス張りのカフェを選びますか?  そんなことはしないはずです。

ハワイのだいご味はやはりオープンカフェです、よね。

 

話が長くなりましたが、そんな空間をできる限りエコで創るためにすべきことは5つあります。

 

エコ&優雅 対策1 : 隙間をなくす👈コンクリート造

エコ&優雅 対策2 : 建物に熱を侵入させない👈しっかり断熱

エコ&優雅 対策3 : 赤外線の侵入を防ぐ👈庇・外付ブラインド・高性能遮熱ガラス

エコ&優雅 対策4 : 換気による湿気をシャットアウト👈全熱交換型ロスナイ

エコ&優雅 対策5 : ランダムなそよ風をつくる(ただし歩く程度の速さ)

 

 

上記のうち、特に知恵が必要なのは、対策3と5です。