人口が増える局面では、街は平面的にも立体的にも大きくなりますが、
人口減少時代には、平面的に小さくなります。
賃貸マンションで言えば、街の周辺部には空室がめだつようになってきます。
この地図は、京都人が「旧市内」といって、
京都の街と認めている部分です。
本当は京都市はもっともっと広い範囲ですが、
京都らしい町並みが存在するのはこの範囲です。
それはともかくとして、
人口が減り続けると旧市内だけで事が足りるようになります。
人口が減少すると、旧市内において家賃が下がるでしょうか。
いいえ、人口が減少しても旧市内では家賃は下がりません。
京都風情のある街並みに住みたいけど、我慢していた人がたくさんいるからです。
そこには京町屋だけでなく、気の利いたレストランや上質な食料品を扱う店が多く、他府県の方にもとても人気があります。
地図に「S席」「A席」と書かれている範囲は、もっとも人気のある地域です。
賃貸マンションの家賃は高く、高額所得者しか住むことができません。
特にS席には賃貸マンションが建てられることは少なく、
たいていは分譲マンションです。
なぜなら主に東京の方のセカンドハウス的な存在となっているからです。
東京から新幹線で2時間余り。都会の雑踏を離れ、京風情を味わい、京料理をたしなむにはちょうど良い距離です。
話を元に戻します。「旧市内」の賃貸マンションに空室が目立つようなことはおこりません。
人口が減少すれば、この地図の外側に住んでいる人が地図の中に移動するだけです。よって、旧市内の賃貸マンションの家賃は下がりません。
京都を例にお話ししましたが、どの都市でも「人気の地区」はあるはずです。
人口も経済も拡張局面において肥大化した街が、
コンパクトにまとまってくるのです。
まとまって住むほうが、インフラはもちろん、防犯や流通においても何かと効率的です。
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