外断熱は冷暖房費を節約するための工法?


たしかに外断熱工法の理論をしっかり理解して、間違いなく造ると冷暖房費を節約できます。

でもそれは外断熱の真価ではなく、ほんのおまけです。

ただ冷暖房費を節約するだけなら、内断熱のほうが日本人向けかもしれません。なぜなら日本人の生活は他の先進国と比べて特殊だからです。

 

欧米では冬になると家中ぜんぶ暖房するのが一般的ですが、日本人はつつましく、人がいる部屋だけ暖房します。中には部屋を暖房せず、ホームゴタツに胸まで入り込んで動けなくなっている人もいるとか・・・

リビングですらそうですから、廊下やトイレ、洗面、バスは放ったらかしで、ほぼ屋外と同じ状態です。

夜は分厚い毛布や羽毛フトンをかぶって冷え切った部屋で寝ます。朝方になると鼻のてっぺんが白く凍りかけているという話も聞いたことがあります。これではまるで冬キャンプですね。

 

 

このように、人がいる部屋だけ、人がいる時間だけ間欠暖房するには、外断熱は不向きです。

 

なぜなら外断熱工法の家の中は、床・壁が暖かくなっていて、そこから放射熱でジワ~っと温める方式だからです。室内の気温は真冬でも21℃くらいで、スッキリします。

頭寒足熱をそのまま実行した形です。

 

外断熱の家は、自動車で信号のない道をずっと走り続けているようなイメージで生活すると、燃費が良くなります。

逆に、エアコンのスイッチをこまめに切ると、自動車が信号で止まったり発信したりを繰り返す市内走行のように燃費が悪くなります。

それは豪華客船の乗り心地に似ています。

小さなボートは波のなすがままですが、豪華客船は波の影響をほとんど受けず、船酔いする人もいません。

まあ、水上ホテルといった感じでしょうか。

 

外の天気がどうであれ家の中はハワイの気候

こんな優雅な生活が、省エネで実現します。

それが外断熱の真価、目的なのです。

快適で優雅なだけではありません。

外断熱工法の家で生活すると、人体に対する負担が軽減します。

 

人間に限らず恒温動物は体温を維持することに相当なエクセルギーを消費していますが、外断熱工法の家はそれをアシストするので体温維持に対する負担が軽減して、その分、仕事や遊びなど体力を有効に使えます。

 

自分のために自由に使えるエクセルギーが増えて、有意義な人生がおくれる。夢のような話ではないでしょうか? 

冷暖房費がどうこう・・・とは次元が違うのです。

ところで、そもそも外断熱とはコンクリート造のための工法です。

木造や鉄骨造には外断熱も内断熱もありません。20年ほど前に外断熱という言葉がヒットしたころ、それにあやかって商売しようと木造系や鉄骨系の会社が外断熱というキーワードを使ったことが混同の元となりました。

 

外断熱とは蓄熱体(コンクリート)の外側をマルッと断熱材で包み込んで、外界と遮断して24時間365日、超安定した室内気候を創って維持する。そして有意義な人生をおくるための工法なんです。


外断熱 よくある質問 メニュー

 

▶ しっかり断熱すると、室温が外の気温に左右されにくくなる?

▶ 外断熱はぐるっと一続きで建物を包み込むので、気密性が高い?

▶ 外断熱は冷暖房費を節約するための工法?

▶ 外断熱は屋外と室内の気温差が少なくなるので、結露が起きにくい?

▶ 建物内部に結露が生じると、建材を腐らせたり、カビが繁殖する?

▶ 外断熱は逆転結露(夏型結露)が起きやすい?

▶ 外断熱は気密性が高いので結露を抑えられる?

▶ 外断熱は建物の構造体の劣化を抑制する?

▶ 外断熱は壁が厚くなるので、部屋がせまくなる?

▶ 外断熱は耐震性に不安がある?

▶ 外断熱は高気密・高断熱であるがゆえ、換気が欠かせない?

▶ 外断熱は建築費が高くつく?

▶ 内断熱は日本で一般的な工法であるため、技術面で安心できる?

▶ 内断熱は建築コストが抑えられる?

▶ 内断熱は気密性が低いので、結露が起きやすい?

▶ 木造に比べてコンクリート造のほうが、屋外と室内で温度差が出やすいので、結露が発生しやすい?

▶ 外断熱は建築費が高いが、冷暖房費が安い?

▶ 外断熱は建物が劣化を抑えるので、長持ちする?

▶ コンクリートそのものが蓄熱体となる?

▶ 木造でも外断熱と内断熱が選べる?

▶ そもそも外断熱工法とは?