外断熱だから気密性が高いのではありません。 断熱と気密は全く別のものです。
断熱材は保温するための材料で、お布団をイメージしてください。
気密のための材料は防湿気密シートといって、湿気も空気も通さない材料でできています。
といっても難しいものではなく、サランラップのようなものです。
ところで「気密」と聞くとなんとなく息苦しい気がしますね。ここで気密性について、ちょっと説明させてください。
気密性テストは次のように行います。
まず、玄関や窓、換気扇の穴などすべて閉じます。つぎに建物に太いストローを刺してどんどん空気を吸いだします。
紙パック飲料をストローで吸う感じです。(もちろん建物は凹みませんが・・・)
建物から空気を吸いだすと家の中の気圧は下がります。
家の中の気圧を測ったらストローに栓をします。もし建物に隙間がなかったら気圧計の数字は維持されるはずです。
隙間があれば、だんだん屋外の気圧に近づきます。 では、隙間はあったほうが良いのか、無いほうが良いのか・・・
答えは、隙間は無いほうが良い です。
なぜなら、まず、隙間風って寒いですよね。では夏はどうでしょう。
いまだに「家は夏をもって旨とすべし」という人がいますが、それは勉強不足です。
吉田兼好は鎌倉時代の人ですよ。
確かに日本の夏は湿気が高すぎるので、風通しを良くしたほうが住みやすいし、木も腐らないというのは事実です。
だからといって隙間風が良いというわけではありません。
風通しをしたいときは窓を開ければよいのです。
さっきから私、隙間風、隙間風と言ってますが、
実は、隙間風より怖いのが湿気の乱入です。
日本の夏が暑いのは、湿度がめちゃくちゃに高いからであって、気温はさほど高くありません。
テレビでは「猛暑!37℃!!」とかはやし立てますが、
実は東京の8月の平均気温は29℃です。
冷房するとしても2~3℃ほど下げてやればよいだけです。
それより問題は除湿です。
エアコンでいちばん電気を食うのが除湿。
せっかく除湿しても、隙間があればすぐに屋外の湿った空気が侵入してきます。
だからずっとエアコンは働いて電気を食っているのです。これでは電気代の垂れ流しです。
もし、隙間が無かったら十分に除湿したらエアコンは止まります。
と言いたいところですが、一般のエアコンは、温度設定はできても湿度設定はできません。
人間が暑いと感じるのは湿度のせいですが、エアコンは冷房のついでに除湿する機構になっているので、
除湿してスッキリした部屋にするためには、理想の温度よりさらに低く温度設定するしかありません。
(本当は27℃くらいで良いのに、25℃に設定しないと、除湿してくれない・・・) かくして、冷房病になるのです。
話が複雑になりましたので、整理させてください。
1.断熱と気密は関係ない
2.気密が必要な理由は2つあります。
① 人間の意思で、自由に風通しや換気を行えるようにするため。
② 人間の希望通りの除湿や加湿ができるようにするため。しかも省エネで!
外断熱 よくある質問 メニュー
▶ しっかり断熱すると、室温が外の気温に左右されにくくなる?
▶ 外断熱はぐるっと一続きで建物を包み込むので、気密性が高い?
▶ 外断熱は屋外と室内の気温差が少なくなるので、結露が起きにくい?
▶ 建物内部に結露が生じると、建材を腐らせたり、カビが繁殖する?
▶ 外断熱は建物の内部と外側の温度差が小さくなるので結露しない?
▶ 外断熱は建物の構造体の劣化を抑制する?
▶ 外断熱は壁が厚くなるので、部屋がせまくなる?
▶ 外断熱は耐震性に不安がある?
▶ 外断熱は高気密・高断熱であるがゆえ、換気が欠かせない?
▶ 外断熱は建築費が高くつく?
▶ 内断熱は日本で一般的な工法であるため、技術面で安心できる?
▶ 内断熱は建築コストが抑えられる?
▶ 内断熱は気密性が低いので、結露が起きやすい?
▶ 木造に比べてコンクリート造のほうが、屋外と室内で温度差が出やすいので、結露が発生しやすい?
▶ 外断熱は建築費が高いが、冷暖房費が安い?
▶ 外断熱は建物が劣化を抑えるので、長持ちする?
▶ コンクリートそのものが蓄熱体となる?
▶ 木造でも外断熱と内断熱が選べる?
▶ そもそも外断熱工法とは?
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