それは「建物本体と室内の気温差が少ないので結露が起きない」の間違いだと思います。
屋外と室内の気温差が少なければ、夏は暑いし、冬は寒い。それでは意味がありませんよね。
今日は、結露が起きる条件についてお話ししたいと思います。
それがわかれば、「結露させない条件」もわかるので、それに沿って建物を設計すれば簡単に解決します。
でも建築業界では「結露しない建物を造るのは難しい」ということになっているから不思議です。
「空気の中にはね、今は見えないけど透明に変身しているお水がいるんだよ。
でも、空気が冷たくなると寒くて我慢できないお水が出てくるんだ。
そうすると目に見えるお水に変身して窓とかにくっつくんだよ。」
失礼しました! これは子ともに説明するときの話し方でした。 では、もう少し具体的に。
結露とは、空気の中にある水蒸気が水滴となり物体の表面に付着する現象のことです。
空気の温度が高い状態から低い状態に変化したときに起こりやすいです。
空気中の水蒸気は、含むことができる量が決まっています。
空気の温度が高くなると、その量は増えます。
逆に空気の温度が低くなると、減るのです。
つまり、空気の温度が高い状態から低くなったときに、含むことができる水蒸気の量は減り空気中から追い出されて水滴が発生します。
今は冬です。お部屋の中は24℃、湿度50%です。
その空気が冷やされて13℃以下になると、飽和します。
ペアガラスでない窓ならすでに結露しているはずです。
問題はここからです。窓ガラスに結露している分には、うっとうしいですが目に見えるのでまだ良いのです。
見えない部分、たとえば天井裏とか床下とか、壁の裏で結露すると大変です。
カビやダニが発生する基になりますし、家がだんだん腐ってきます。とくに木造の家では柱や土台が腐ってきます。
腐った木はシロアリの大好物で、そうなったらおしまいです
この図は2階建てのマンションを包丁で縦にざっくりと切ったところを示しています。
グレー色はコンクリートで、オレンジ色は断熱材です。
お部屋の中の空気(24℃、湿度50%)が冷やされて13℃以下になるのはどこでしょう?
内断熱の場合、それはコンクリートと断熱材の接点です。上の図では赤色の×××の部分で結露します。
要するに内断熱では家の中で結露します。そしてカビやダニが発生します。
外断熱の場合、家そのものが断熱材で保温されていて、コンクリートの温度が22℃くらいあるので、結露しません。
外断熱 よくある質問 メニュー
▶ しっかり断熱すると、室温が外の気温に左右されにくくなる?
▶ 外断熱はぐるっと一続きで建物を包み込むので、気密性が高い?
▶ 外断熱は屋外と室内の気温差が少なくなるので、結露が起きにくい?
▶ 建物内部に結露が生じると、建材を腐らせたり、カビが繁殖する?
▶ 外断熱は建物の構造体の劣化を抑制する?
▶ 外断熱は壁が厚くなるので、部屋がせまくなる?
▶ 外断熱は耐震性に不安がある?
▶ 外断熱は高気密・高断熱であるがゆえ、換気が欠かせない?
▶ 外断熱は建築費が高くつく?
▶ 内断熱は日本で一般的な工法であるため、技術面で安心できる?
▶ 内断熱は建築コストが抑えられる?
▶ 内断熱は気密性が低いので、結露が起きやすい?
▶ 木造に比べてコンクリート造のほうが、屋外と室内で温度差が出やすいので、結露が発生しやすい?
▶ 外断熱は建築費が高いが、冷暖房費が安い?
▶ 外断熱は建物が劣化を抑えるので、長持ちする?
▶ コンクリートそのものが蓄熱体となる?
▶ 木造でも外断熱と内断熱が選べる?
▶ そもそも外断熱工法とは?
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