MUSIK北参道の最終目的は「心地よく響くスタジオ」を創ることでした。
楽器の音色がのびやかに煌めくこと。そして演奏者が悦に入れるスタジオを創りたかったのです。
では、「心地よく響く」ことを数値化するにはどうしたらよいでしょう。
その鍵を握るのは、「フラッターエコーがないこと」そして「スタジオの広さマッチした残響時間をもつこと」です。
「スタジオの広さにマッチした残響時間」とはいったい誰が決めたのでしょう。おそらく音楽評論家が集まって話し合って決めたのでしょう。人間の感性で決める。それが正解です。
左のグラフによると、MUSIK北参道のスタジオの広さからすると残響時間は0.5秒が良しとされています。
実際の測定結果は下の表のとおり、0.6秒です。
しつこいようですが、フラッターエコーが発生する部屋では残響時間が的確でも、それはお風呂で歌っているようにとても不自然な響きとなります。(でも不思議ですね。お風呂で歌うと上手になった気分になりますね・・・)
練習スタジオのほとんどは、吸音材が張り巡らせてあります。
左の写真でいうと、黒い部分が吸音材です。
この環境ではお布団に潜り込んで楽器演奏しているようなもので、くぐもった音になります。
もちろん心地よい響きとは程遠いです。
くぐもった音だから、もっとガンガン叩きたくなる!ギンギン弾きたくなる!
よけいにボリュームを大きくすることになり、遮音が大変になるという悪循環ではないでしょうか。
MUSIK北参道のスタジオは、フラッターエコーを発生させない仕掛けが施してあります。ウェブと呼ばれる、ある角度を持った木材を並べて、音波を拡散する設計になっています。
サーロジック村田研治氏に監修していただきました。
最期に私の目論見ですが、スタジオをライブ(反響型)にすることによって、演奏者には比較的大きな音に聞こえるので、
それほどボリュームを上げないのではないでしょうか。
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