ギターをモチーフに


音楽は心を豊かにし人生に艶やかにしてくれます。MUSIK北参道は、ご近所さんに気兼ねなく音楽を楽しんでもらえる空間に仕上げました。それを象徴する外観デザイン。ギターをモチーフに選びました。

そういえば・・・なるほど・・・

説明しなければ100人中、1人くらいしか気づかないようにしたつもりです。

気づいた方は、内緒にしてくださいね。

第1フレットから第8フレットまで、徐々に間隔が狭くなっています。 カッコいいポジションマークもつけました。




ギターを0.5㎜単位で正確に測って、外壁の設計図を描きました。

ネックと弦はあえて同じ色にして、目立たなくしました。




中央二あるのが、フレットに使ったアルミ型材です。

5㎝×5㎝を2本合わせました。意外と小さいでしょう?

右にあるのが弦です。幅5㎝、奥行き15㎝です。

建物の外壁はアートミュールベルノといって、下地を超平滑にして、分厚い塗装を行いました。この塗装は太陽が当たる角度によって変化します。フレットと弦はダークブラウン





ナット・フレット・弦の詳細図です。別に見てもらわなくてもいいです・・・


 

左の図はぜひご覧いただきたいです。

ギターのネックは単なる空洞ではありません。

 

各住戸に5つの吸排気口が必要であり、MUSIK北参道は36戸ですので合計180個と膨大な数となります。それらをすべて建物の裏面に収めるのは至難の業です。

 

そこで、換気用吸排気口のうち36本をギターのネック部に埋め込みました。建物の正面の顔にブサイクなイボを見せたくないからです。結果、ギターのネックはきれいなお肌となりました。

 

ちなみに、下の右の写真をご覧ください。ネックの右サイドにすざまじい数の吸排気口が縦一列に並んでいます。

 

ここでもう一つ武勇伝を・・・

吸気口と排気口とは一定の距離を取っています。理由は言うまでもなく、排気した空気を吸い込みたくないからです。

 

 



外壁の素材はALCといって、倉庫や工場に良く使われる材料です。

そのまま使うと、とても薄っぺらで、安っぽい建物になってしまいます。

ALCパネルはひずみが大きくネジレもあり、サイズの精度も低いので、外壁に一体感が出ないのです。

そこで、細かな横ラインパネルでコーナーを引き締め、広い面で単調にならないようにパネルの厚みに変化を加えました。



ベランダ部分には、50㎜ピッチの縦ラインを使用(堀の深さ25㎜) 建物の大きさとラインの幅の関係は大事です。

ちなみに、窓の上にあるのが防音換気扇の排気口です。よく見ると、両端と中央では大きさが違います。

両端の住戸では、天井内にサイレンサが1つしか設けられなかったので、サイレンサ排気口を採用したのです。

これにより、楽器演奏がご近所に漏れないだけでなく、山手線の騒音も室内に入ってきません。



ライトアップされた北参道からの夕景。都会的というか、都会です

1階のテナントにどんな店舗が入ってくれるか楽しみです