ひょんなことから約4か月間(2022年4月25日~8月19日)ホテル暮らしをすることになりました。
自宅を3度建てて掴んだ家づくりのコツや裏技、ホテル暮らしから生まれた革命的なアイデアなど、為になるだけでなく、
私の人生を赤裸々に語る、愛と感動の物語です。 いちばんはじめ「優雅な朝食」から順番に読んでいってくださると嬉しいです。
今度の私は落ち着いておりました。幼少期のトラウマも冷め、バブルも経験して、50歳の大人になっておりました。
息子が19才、娘が17才、もうじき成人です。
山の中の家は子供の成長には良い環境だったかもしれません。
曲がりくねった細いあぜ道を下って高低差が100mもある小学校へ通う。
春に出会ったおたまじゃくしが初夏にはゲロゲロと大合唱。夏の早朝にはクヌギの大木で大きなカブトムシをゲット!
冬はゲレンデのように雪で固まった道路をソリで駆け降りる。とても良かったと思います。
でも、良かったのは自然環境であり、家の広さではなかったはずです。
そう、家は全く関係なかった。大きな家は愚の骨頂だった。
2軒目の大失敗を教訓に、新たな知恵を加えてしっかり計画しました。
3軒目の家のコンセプト
1.家族構成の変化に対応できる家
2.頼りない公的年金に加えて自分年金が得られる家
3.暑さ寒さを忘れるくらい気持ちの良い住環境を創る
間取りの説明
私の家は、一般的な呼び名では3LDKですが、正しくは1LDK+1K×2となります。
もう少しわかりやすく言うと、1階に1Kのマンションが2つあり、2階にリビングとダイニングキッチンと水回り、3階がナイトリビング兼ベッドルームという構成です。
ちまたにはLDKが多いですが、リビングは落ち着いた空間に、ダイニングキッチンは活動的な空間にしたかったので、あえて分けて、それらの間に中庭を設けました。
コロンブスの肝
上記のように、3つの家が1棟の建物内にある、いわば小さなマンションですが、ホテルのコネクティングルームにひねりを加えたことが「肝」なんです。
メイン玄関の奥に2か所にサブ玄関があります。
サブ玄関は2カ所ですが、ドアは1枚しか用意されていません。
サブ玄関1にドアを取り付けると手前の1Kだけを賃貸することができます。
サブ玄関2にドアを移すと奥の1Kも賃貸することができ、収入は二倍になります。
もし1Kを2戸賃貸に出すと私は住宅ローンから解放されます。
そして退職後の自分年金としても役立ちます。
完成してしばらく経ったころ、テレビ東京から電話がきてWBCの取材を受けました。
続いて、日経ヴェリタスからの取材も受けました。
聞くと、公的年金が運用を失敗して、なんと10兆円もの損失を出したそうです。
突然ですが、私はハワイフリークです。地球上には行ってみたいところがいっぱいあるのに、なぜかハワイにばかり10回以上いったので、他へはほとんど行けておりません。
その理由は明らかで「ハワイの素晴らしい気候が病みつきになってしまった」のです。シンガポール、グアム、マニラ、ゴールドコーストなど南国には何度か行きましたが、気候の良さではハワイの足元にも及びません。
もしハワイに定住できたら、「暑い」「寒い」という単語を忘れることでしょう。
「ハワイの気候を日本の家の中で再現すること」 いつの間にかこれが、私の建築人生の目標となっていました。
そんななか、1999年に出会ったのが「日本のマンションにひそむ、史上最大のミステーク」です。それまでは、建築工学科の単位に「建築物理」は存在しませんでした。
1973年のオイルショックで欧州では建築物理が開花しましたが、それから遅れること二十数年、やっと日本にも伝えられたのです。
私の建築家人生で唯一の「青天の霹靂」でした。さっそく著者(江本央先生)に手紙を書いて札幌に押しかけて講義を受けました。
そして、ハワイの気候は再現できると確信したのです。
私の3軒目の家では、ほぼほぼそれが実現できました。その後もクライアントさんの協力を得ながら、外断熱を軸に、ハワイの気候の再現に磨きをかけております。
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