ホテル暮らしはゆっくりと時間が流れ、いろいろな気づきや発想が降りてきます。
普段はろくに食べない朝食を1時間かけてゆーっくり採り、ジムで軽い運動をし、大浴場で今日一日のできごとを振り返る。
すると生活にメリハリがつき、仕事の効率も劇的に上がります。
ここで「ホテル暮らしだからこその、気づき」を振り返ってみたいと思います。
この素晴らしい生き方「自営業」
ホテル暮らしができたのは、言うまでもなく私が自営業であるからです。
愛する一歳の女房と、ずっと一緒に過ごせたのも自営業ならではです。
通勤に時間と体力を奪われない。人間関係に悩む必要がない。わざわざ込み合う正午に昼食をしない。
みんなが仕事している時間にジムへ行けば空いている。気分と体調がベストに整ったら仕事を始める。
だから自ずと効率は高くなります。そして、良いほうへ良いほうへ展開していきます。
では、自営業のリスクはどうなのか? これについては別のブログで詳しくお話ししたいと思います。
小さな村の物語 イタリア
祖父母の代、父母の代、子供の代、孫の代・・・ずっと大事に引き継がれていく家系。
職業も代々引き継がれて、家も家具も自分で修理しながら大切に使われていく。
BS日テレの「小さな村の物語 イタリア」は毎週そんな家族が登場する、とても暖かい物語です。私はそれを見てホッコリします。これがほんとうの幸せであり、家が使い捨てにされる日本の生活を寂しく思います。
でも日本における現実はサラリーマンが大半なので、代々同じ家に住み続けるのは非現実的ですね。
先ほども申し上げたように本当は自営業が理想なのですが、国策により、ほとんどの人が会社員にされてしまったので、それが自然な形にもどるにはかなり時間がかかりそうです。なので私は、現在を生きる皆様のためにいろいろな家を考案しました。
ハウス必須ストレッチ
当たり前すぎて、言うのも恥ずかしいくらいですが・・・
家族は年齢も人数も変化するものなので、家もストレッチできるように創らないと、窮屈だったりゴソゴソになったりします。
「建物は固い材料でできているのに、どうしてストレッチさせるの?」
それは、建築家の知恵で可能になります。というか、ホテルのコネクティングルームを発展させたものと思ってください。
人生のいろいろな局面で助けてくれる、頼りがいのある家を創っておきましょう。
稼げない家は資産とは呼ばない
一般の住宅はお金が掛かるばかりで、お金を稼いでくれません。
固定資産税、修繕費など、所有しているだけでお金がダラダラと出ていきます。
「それは当たり前だろう・・・」 と思うあなたは石頭。
落ち着いて考えてみましょう。
お金を産まないものを資産と呼べるのでしょうか?
すくなくとも、年金の足しになる収入が入る構造にしておかないと不幸になりますよ。
いいえ、わずかなお金で良いのです。「継続して入ってくる」ことが大事なんです。
人間は何歳まで生きるかわからないから、ガッポリため込んでおかないと不安になるのです。
不安を解消するために、若いときから節約して貯金します。これは大きな機会損失です。節約すると経験する機会が減ります。
経験しないと展開しない。展開しないと新たなステージへ行けない。
要するに貯金は、自分への投資を怠ることを意味します。
そしてもうひとつ、弾けることができるのは若者の特権です。歳をとると何をしても楽しくありません。
弾けることも盛り上がることもできなくなります。
年金+αが保証されていると、人生それぞれのステージを楽しむことができるのです。
「古くなると安くなる」というのは後進国の発想
パリやローマの家は、築100年は当たり前で、築200年の建物が堂々と存在します。築浅の物件よりヴィンテージ住宅のほうが、人気があるくらいです。
でも勘違いなさらないように。
古くなると勝手に人気が上がるのではありません。
いろいろな時代の最新作と対戦し続けて勝ち残ってきた、
その実力とオーラに魅力を感じるのです。
要するに築年数には関係なく、その建物の出来栄えが値打ちを決めるわけです。
なのに日本では築年数が経つと値下がりします。それを私に言わせれば後進国の証です。
しっかり作り込んで、100年、200年と使っていく。これこそSDGsです。
国民の皆さん、建物の良し悪しをわかる目利きになってください!
でないと、大手ハウスメーカーの営業マンにいいようにされてしまいますよ。
「再建築不可」を狙うべし
再建築不可物件はめちゃくちゃに安いです。土地値で言えば、その場所の相場の3分の1か4分の1で買えます。
安い理由は建築確認済証が取れないからです。取れないとどうなるか? 住宅ローンが付きません。
住宅ローンがつかないと多くの人は買うことができません。だから相場が下がる。
これは、自己資金が潤沢な人にとっては願ってもないチャンスです。
かくして格差が格差を呼ぶのです。格差社会に対抗する方法はないのか?
弱いものはさらに弱くなるしかないのか?
救世主は「大改造! 劇的ビフォーアフター」です。
再建築不可物件に対しても、リフォームローンは付きます。
ここで一つだけ守ってほしいことがあります。耐震改修と耐火措置はバッチリやってくださいね。
コンパクトかつ多シーンな家に
私の2軒目の家のように「大きすぎる家」は無駄の総合商社です。反SDGsです。
家はコンパクトにまとめましょう。成功の秘訣は、生活シーンごとに気分転換しやすい工夫を加えることです。私の妻は専業主婦なので家にいる時間が長くなりがちです。なので3軒目の家は、色々な生活シーンを想定して設計しました。
たとえばLDKをひとまとめにせず、LとDKを別の部屋にして、
中庭を望む廊下で結びました。
リビングから見る中庭、廊下から望む中庭、キッチンから眺める中庭は表情が変わり、安らぎを与えてくれます。ベッドルームは単なる寝室とせずナイトリビングとしてミニバーも設えました。
バスルームは6帖ほどあります。
「6帖?!」と驚かれるかも知れませんが、ムダは全くありません。なぜならユニットバスが2帖、洗面が2帖、トイレが1帖というのが標準的なサイズですが、これですでに5帖を使っていますし、それに廊下が1帖あれば合計は6帖になります。
チマチマと小分けにせず、ザックリ大きく仕切るのも手です。
我家のバスルームにはエアコンがついているので、シャワーのあとで汗だくになることもありませんし、化粧カウンターとしても使えます。また、天井から電動で下がってくる物干があり、雨の日でもしっかり乾きます。(洗濯乾燥モード付)
女房は花の世話が好きなので、玄関前の小庭にはバラ園にしました。5月には大輪のバラがたわわと咲いて見事です。バラ園には小さなベンチを置いて、イングリッシュティーを楽しめる空間に設えました。
このように5つの生活シーン(舞台装置)があれば、主人公も飽きずに済むだろうと思うのです。
所有することの本当の意味
「モノからコトへ」 「所有よりシェア」というフレーズをよく耳にしますが、
所有のもつ大きな要素を見逃しているのではないでしょうか?
もし、自動車を単なる移動手段だと考える、シェアのほうがお得です。
でも、自動車が単なる移動手段ではないことを知っているから、1千万円クラスの高級車が当たり前に走っているわけですね。
自動車は「鎧」です。 自分を守り、人をやんわり威嚇します。
なので人は、自動車にはお金を掛けます。
それに対して、家はなんでしょうか? 「城」です。
でも人は、家に対してあまりお金を掛けません。
家は自分と一緒に移動してくれないので、自動車のようにそれとなく見せつけることができないからでしょうか。
でも実は、家にはオーラがあります。正確には、持ち家は家族にオーラのベールを掛けてくれます。
人間に自然な重みと自信を与えてくれます。それだけではありません。金融機関と取引するとき断然有利になります。
それともうひとつ、所有には大きな意味があります。
実は私は、石垣島の海沿いに土地を所有しています。残念ながら、買ってから1回しか行ったことがありません。
それでも時々、ストリートビューで眺めていろいろ想像を膨らませてワクワク、ニンマリします。
気持ち悪いですか?
でももしリゾート地を所有せず、単にストリートビューでビーチを眺めて豊かな気持ちになれるでしょうか?
残念ながら私にはムリです。
以上、4か月間ホテル暮らししてこそ気づいたこと、改めて頭の整理ができたことです。
最後までご覧いただいてありがとうございました。 ひとつでも、あなたの参考になれば望外な喜びです。
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