周壁温度
今日はちょっと、むずかしい話をさせてもらって、いいですか?
「周壁温度」のお話です。
あまり難しい話はしたくないのですが、「爽やかな涼しさ」「優しい暖かさ」の肝なので、ぜひ聞いてほしいと思います。
屋外における「周壁」とは、道路やビルの外壁です。
屋内における 「周壁」 とは、床・壁・窓・天井です。
人が暑いとか寒いとか感じるとき、気温よりも周壁温度の影響力のほうが遥かに大きいことを覚えておいて下さいね。
その比率は概ね、気温が3割、周壁温度が7割です。
ちなみに、外気温度33℃、湿度60%の環境下で、エアコンで冷房した場合、かなり高度な断熱性能を持つ家でさえ、
人体エクセルギー消費は2.6W/㎡程度必要です。
ところがホノルルでは、前日の夜間に放射冷却と風で周壁温度が28℃くらいに冷やされていることがあり、室内気温が30℃、
湿度が65%であっても、人体エクセルギー消費は2.0W/㎡程度ですむ場合あります。
冷房している室内よりも、オープンテラスでそよ風に吹かれている方が遥かに心地よいことを経験された方も多いと思いますが、
それを学術的に証明したのがエクセルギー理論なのです。
まあ、数字を覚える必要はありませんが、ハワイの気候を日本の家の中に再現するときは、この理論を駆使することになります。
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