ホノルルの街並みと東京の街並みを比較してみましょう。
山側からワイキキのホテル群を望んだ画像ですが、ビルとビルの間の空間が広くて、いかにも風通しが良さそうですね。
下は、東京都杉並区の画像です。
東京では住宅地として人気のある杉並区ですが、なんとなく、貧しい気分になってしまいます・・・私だけでしょうか?
日本の都会は土地が細かく区切られているので、どうしても、敷地いっぱいに建てることになってしまいます。
その結果、家と家のあいだは1mも空かず、風が通りません。
その点 ワイキキは土地の区画が大きく、ビルとビルの空間がとても広いです。
ビルは30階クラスですから高さにして100mほどありますが、ビルとビルの間も数十メートル空いているので風はゆうゆうと吹き抜けます。
出典:南雄三のパッシブ講座/通風トレーニング
これは、国土交通省国土技術総合研究所・西澤繁毅氏の研究結果ですが、「住宅地において、風向き意識した開口配置をしたとしても、
通風量が格段に増えるわけではない」 とされています。
つまり、「密集地では窓から風を取り入れようとしてもムダ!」 と言えるくらいショッキングな、というか、当たり前ことが発表されているのです。
私の見立てによると、世田谷区役所付近の住宅地の「区域建ぺい率は約40%」 「ホノルルの高層ホテルの区域建ぺい率は約10%」でしょう。
グラフで示すように、区域建ぺい率が10%程度なら風通しは期待できますが、40%にもなるとほとんど風通しは期待できなません。
(ちなみに「区域建ぺい率」とは道路も公園も含んだ、街全体の建ぺい率ですから、建築基準法でいう建ぺい率よりかなり小さな値になります。
広い道路や大きな公園がたくさんあると、区域建ぺい率は低くなり、風通しがよくなります)
しかも、ホノルルは常に秒速5~6mの風が吹いています。(海風・陸風)
この風がどれだけ気持ち良い要素になるか、これから科学的に分析していきまたいと思います。
続く
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