美しく響かないとピアノが売れない


小ホールの間取りはこのようになっています。

どこにも平行な壁はありません。

ですからフラッターエコーが起こりにくく、残響時間を多めに設定できます。

その結果、小さなホールなのに、そこそこ大きなホールで演奏している気分になります。

 

床はウォールナットの無垢材を使用。(固く美しい)

壁面はすべて反射構造にしました。

 

ブーミングを起こさないように、丈夫な柱に分厚くて重いボードを二重張りしました。

柱は建物本体のコンクリートに振動を伝えないように、防振ゴムで取り付けました。

天井の高さが4mあるので、丈夫な柱でも振動を起こします。

そこで、床と天井とその中間にて防振ゴムで固定しました。

 

 

ボードを二重張りするとき気を付けないといけないのは、ボンドを櫛で塗らないことです。

建築業界では、画像のように櫛でボンドを伸ばすのが常識になっています。

ところがその方法では、ボードとボードの間に隙間ができて、段ボールのような状態になります。

これでは、ボードを何枚貼っても分厚くて重い1枚板にならず、しっかりと音を反射できません。その結果、ボードが共振して雑音を出し、ブーミングの原因となります。

天井の面積の約60%だけ吸音仕様にしています。(室内総面積の約15%)

吸音で大事なのは、どの音域もバランスよく吸音することです。最悪なのは床にカーペットを敷くことです。

すると高音域だけ吸音されて、スタンウェイのきらめきがなくなってしまします。これでは台無しです!

 

グラフに示すように、天井の懐の空気層を300㎜取ることが大事です。するとミッドバスのだぶつきがなくなって、スッキリした音色に響きます。